💻 プロンプティングTips
2023/7/20のアップデートで、ChatGPT Plusに「Custom instruction (カスタムインストラクション)」という機能が導入されましたので、その使い方を解説します。
カスタムインストラクション機能は、同じ前提条件を何度も繰り返して指示する場合に役に立ちます。
あらかじめその前提条件を設定しておくと、プロンプトに入力しなくても、全てのセッションの会話で、前提条件が回答に反映されます。
使い方は簡単で、ChatGPTの左のパネルの「・・・」から「Setting &Beta」に進み、Beta features の中の「Custom instructions」をOnにします。
すると、再度「・・・」をクリックすると、「Custom instructions」というメニューが出てきますので、それを選択してください。
以下のようなウィンドウが出てきますので、それぞれのボックスに共通の前提条件(プロンプト)を入力します。
一つ目のボックスには、ユーザーの情報を入力し、二つ目のボックスには、ChatGPTに対する要望を入力します。
実際に、以下のようなインストラクション&プロンプトで、どのように生成される情報が変化するかテストしてみました。
まずは、「あなたの情報」に入力するインストラクション👇
"What would you like ChatGPT to know about you to provide better response?"
(よい回答を生成するために、ChatGPTに伝えたいあなた自身の情報は何か)
インストラクション例:
" 私は小学生です。小学生の私でも理解できるような、丁寧で、平易な表現のみを使用した回答を求めています。 "
上のインストラクションでは、小学生でも理解できるような平易な表現で回答するように求めています。
次に、ChatGPTの回答に関するインストラクション👇
"How would you like ChatGPT to respond?"
(どのようにChatGPTに回答して欲しいか)
インストラクション例:
Whenever I ask a question, suggest five improved versions of the prompt to ask more specific topics on its prompt, and ask me if I would like to use it instead. New prompts need to be listed up in provided language. Once users pick one of improved prompts, just answer it without suggesting further improvement of prompt.
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(日本語訳)
私が質問するたびに、より良いバージョンのプロンプトを5つ提案し、代わりにそれを使うかどうか尋ねてください。新しいプロンプトは、与えられたプロンプトに関連する具体的なトピックを尋ねてください。新しいプロンプトは、与えられた言語で提案してください。ユーザーが、新しいプロンプトを選択した場合は、さらにプロンプトを改善せず、その質問に答えてください。
このプロンプト、覚えていますか?
プロンプトを精錬するプロンプトリファインメント法です。まだご覧になっていない方は、以下のリンクからどうぞ。
👉プロンプトを精錬する「プロンプトリファインメント」手法
さて、このインストラクションの有無で、どのように回答が変化するかテストしてみます。
テストプロンプトは以下の通り。
プロンプト例
Pythonというプログラミング言語を学ぶ方法を教えてください。
最初に、Custom instruction機能を利用しない場合(Custom instructions オフ)の回答例です。
回答はごく一般的な内容・表現ですね。プロンプト中に詳細な指示を与えていませんので、予想どおりの結果となりました。
続いて、Custom instruction機能を利用した場合(Custom instructions オン)の回答例です。
Custom instructions機能をオンにすると、第一プロンプトで、プロンプトリファインメントが実行され、具体的な質問リストが提案されました。
第二プロンプトで知りたい質問の番号を入力すると、その質問への詳細な回答が生成されました。
表現も、Custom instructions機能オフ、と比較すると専門用語が少なく、平易な文章となりました。
プロンプトリファインメントも、平易表現も、プロンプト中には指示していないのですが、Custom instructions にあらかじめ設定しておくことで、全ての会話に対して適用されます。
いかがでしょうか?
全ての会話に対して共通の指示を与えたい場合は、Custom instructions 機能が役に立ちます。
特に、今日紹介した、プロンプトリファインメント法はCustom instructions機能との相性が良いと思います。
これを設定しておくと、漠然としたプロンプトでも、具体的な質問に落とし込んで情報生成できますのでお薦めです。
ぜひ試してみてください!