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💻 プロンプティングTips

ライティングスタイルを自在に操る

Writing Style Concversion Prompt ー基礎編ー

「Writing Style Concversion Prompt」はライターさん必見のプロンプトです。

これは、任意の文章のスタイルを、自在にリライトするためのプロンプトです。

まずは基礎編として、任意の文書を、あらかじめ定義したスタイルに変更する方法をお伝えします。

後ほど説明する応用編では、任意の文書を読み込ませて、そのスタイルを学習させた後、まったく別の文章を学習させたスタイルに書き換える、というプロンプトワークフローをご紹介します。

それでは、実際に使うプロンプトです。

プロンプトテンプレート

次の4つは主要なライティングスタイルです。

1.エッセイライティング

2.記述的ライティング

3.ナラティブライティング

4.説得的ライティング

[テキスト]の文脈を理解し、[テキスト]を[ライティングスタイル]に変換してください。[ライティングスタイル]で使用されるテクニックや概念を適用し、[テキスト]のテーマを最大限に引き出してください。変換されたテキストがユニークで興味深いことを確認してください。

テキスト = [ここに入力]

ライティングスタイル = [ここに入力]

以下の例では、「私は昨日の昼下がり、公園で散歩していました。」というシンプルな文章を、「説得的ライティング」に書き換えてみました。

ただの散歩を、そんなに説得しなくても・・・、と思いたくなるほど説得力のある文章が出来上がりました😮

他にも、よく使うライティングスタイルを、以下にまとめてみました。

  1. 記述的ライティング(Descriptive Writing): 環境や人物、場面などを詳細に描写するスタイル。
  2. 説得的ライティング(Persuasive Writing): 読者を何かに説得するための論理的な議論やエビデンスを提示するスタイル。
  3. ナラティブライティング(Narrative Writing): 物語を進行させるためのスタイル。プロット、キャラクター、設定などを用いて話を紡ぎます。
  4. エクスポジトリライティング(Expository Writing): 事実や情報を明確に、客観的に説明するスタイル。
  5. アカデミックライティング(Academic Writing): 研究論文や学術記事のように、主張を明確に立証するための証拠を提示する形式的なスタイル。
  6. クリエイティブライティング(Creative Writing): 詩、短編小説、劇作など、想像力を駆使して作り出す芸術的なスタイル。
  7. ビジネスライティング(Business Writing): レポート、提案書、メールなど、プロフェッショナルなコミュニケーションに使われる明確で効果的なスタイル。
  8. ニュースライティング(News Writing): ニュース記事や報道を行う際の事実中心で公平なスタイル。
  9. ブログライティング(Blog Writing): 読者との親密さを増すためのカジュアルで個人的なスタイル。
  10. テクニカルライティング(Technical Writing): マニュアル、製品説明書、ヘルプドキュメントなどを作成する際の明確で詳細なスタイル。

そこで次に、同じ文章を「テクニカルライティング」スタイルで書き換えてみました。

今回は、ドライな解説文になりましたね😅

このプロンプトを使えば、目的に応じて、文章のスタイルを自在に操ることができます

ライティングスタイルを自在に操る

Writing Style Concversion Prompt ー応用編ー

応用編は、任意の文章を読み込ませてスタイルを学習させ、全く別の文章のスタイルを書き換える、という応用プロンプトを試してみたいと思います。

それでは、実際に使うプロンプトです。

プロンプト

以下の文章のライティングスタイルを分析してください。その後に、テキストを与えますので、分析したライティングスタイルで新たな文章を生成してください。

分析用文章:

我が最愛なる友よ、日々は我を試すように過ぎてゆく。君の健やかなる日々を祈るのみ。

テキスト = "私は昨日の昼下がり、公園で散歩していました。"

このプロンプトでは、定義したライティングスタイルを与える代わりに、例となる文章を与えます。言語モデルに、その文章を分析させて、そのスタイルで、全く別の文章を書き換えてもらうプロンプトです。

ポイントは、ただ例文を与えるだけでなく、「~を分析してください。」のように、言語モデルに分析させて、スタイルを明確に定義しておくこと(ChatGPTが生成した回答中に情報が存在すること)、です。

訓練のイメージとしては、

❌ 例文→新しい文章の書き換え

🔘 例文→例文のライティングスタイル定義→新しい文章の書き換え

です。

以下は出力例のスクリーンショットです。

ちなみに、以下はスタイルを定義せずに、そのままテキスト文章の書き換えを命令したパターンです。

短い文章にも関わらず違いが見られますよね。

一つ目の例では、

「我が敬愛する友よ、昨日の昼下がり、我は静謐なる公園を歩んでおった。」

と、一貫して古典的なスタイルが適用されていますが、

二つ目の例では、

「我が尊き友よ、昨日の午後は公園の地で足を運んでいた。」

と、後半の文章が、少し口語的な表現になってしまいました。

これは、一つ目の例では、ChatGPTからの回答の中に、明確に「古典的な書簡スタイル」という文字列が生成されており、その文字列をトリガーとして、テキスト文章が書き換えられましたが、二つ目の例では、そのような明確な定義(文字列)がないままテキストが書き換えられたため、と推測します。

大事なことは、プロンプトか回答の中に、「明確なスタイルの記述が存在すること」です。プロンプトでスタイルを記述するのが先週の基礎編、回答にスタイルを定義する(ようにプロンプトで誘導する)のが、今回の応用編、というわけです。

これは、以前のニュースレターでもお伝えしたように、どのように言語モデルが情報を生成しているのか、を理解できていれば納得いただけると思います。

👉2023/5/8言語モデルの情報生成アルゴリズムに関するニュースレターを見る

私が4年前にアメリカに来て感じた日本とのギャップは、

・日本では自分が思っていることを、何となく相手も感じ取ってくれる

・アメリカでは、はっきりと声に出して言わないと、何も伝わらない

です。

ここで伝えたいことは、言語モデルもまさしく「アメリカ」と同じだということです。はっきりと言わないと(文字列という形で生成しておかないと)、言語モデルは理解しませんし、期待する情報を生成してくれません。

少し話がそれてしまいましたが、他の例も見てみましょう。

プロンプト

以下の文章のライティングスタイルを分析してください。その後に、テキストを与えますので、分析したライティングスタイルで新たな文章を生成してください。

分析用文章:

色とりどりの花、そよ風、蜂の羽音、そんなことを考えていると、ああ、それからリンゴのパイ、どこから来たんだろう、そんな香り。

テキスト = "私は昨日の昼下がり、公園で散歩していました。"

今回は少し詩的な表現の文章を入力してみました。結果は以下の通り。

全く異なる視点で、散歩の内容が書き換えられました。

最後に、もう少し実用的??な使い方をご紹介します。

誕生日メッセージを、アニメのキャラクターに模して書いてもらいました。

プロンプト

以下の文章のライティングスタイルを分析してください。その後に、テキストを与えますので、分析したライティングスタイルで新たな文章を生成してください。

分析用文章:

海賊王に俺はなる、俺達の命くらい一緒に賭けてみろ仲間だろうが!

テキスト = "太郎さん、お誕生日おめでとうございます。今年もハッピーな年になりますように!"

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、分析用文章は、アニメ「ワンピース」のルフィーの有名なセリフを二つ入力してみました。

結果は以下の通り。

この例でも、回答の冒頭に、明確に、スタイルが定義されており、それに沿ってテキスト文章が書き換えられました。

このプロンプティングテクニックを応用すれば、自分の書いた文章を読み込ませてスタイルを学習させ、他人が書いた文章を、まるで自分が書いたかのように書き換える、こともできてしまうのです。(悪用は禁止ですよ☝️)

ぜひ、試してみてください!


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